ふと感じる「胸のざわめき」の正体
朝起きた瞬間になんとなく気分が重い。出かける前に「何か悪いことが起きるんじゃないか」と胸がざわつく。明確な理由はないのに、黒い雲が頭上を覆っているような感覚。
いわゆる「嫌な予感」というやつです。
この感覚に襲われると、「虫の知らせかな?」「やめておいた方がいいサインかな?」と不安になり、行動するのが怖くなってしまうことがあります。
でも、心理学的な視点で見ると、この「予感」の多くは未来予知ではありません。脳があなたを守ろうとして過剰に働かせている「危機管理アラート」である可能性が高いのです。
「直感」と「不安」は声のトーンが違う
もちろん、人間には言葉にできない「直感」という素晴らしい機能があります。しかし、私たちが日常で感じるザワザワのすべてが正しい直感とは限りません。
冷静な判断をするために、私は自分の中で「直感」と「ただの不安(ノイズ)」をこのように区別しています。
直感の特徴:静かで速い
本物の直感は、過去の膨大な経験データから脳が瞬時に導き出した「結論」です。
- 一瞬で「あ、これは違う」とわかる
- 感情的ではなく、静かな確信がある
- 理由は後からついてくる
不安の特徴:うるさくてしつこい
一方で、ただの不安や心配は、脳の扁桃体が暴走している状態です。
- 「もし失敗したらどうしよう」「怒られるかもしれない」と言葉数が多い
- 頭の中で同じ言葉がグルグル回る
- ドキドキしたり、脂汗が出たりと身体反応が激しい
もし、あなたの予感が「長い物語」を語りかけてくるなら、それは直感ではなく、疲れからくる「妄想」かもしれません。

その予感が「ノイズ」か「サイン」か見分ける方法
では、今感じているそのモヤモヤがどちらなのか。見分けるための簡単なテクニックがあります。
紙に書き出して「事実」と「想像」に分ける
頭の中で考えていると、不安は雪だるま式に膨らみます。一度、ノートやスマホのメモに書き出してみてください。
例えば、「今日の会議で失敗して、評価が下がって、居場所がなくなる気がする」と予感したとします。
- 事実:今日、会議がある。
- 想像:失敗するかもしれない。評価が下がるかもしれない。
こうして分けると、嫌な予感の9割が「まだ起きていない想像」であることに気づきます。事実だけが残ったとき、少しだけ肩の荷が下りるはずです。
環境そのものが「予感」の原因になっている場合
自分の内側からくる不安ではなく、特定の場所(例えば職場や満員電車)に行こうとすると必ず「嫌な予感」がする場合。
これは、その場所の空気や人間関係に、あなたのセンサーが反応して「防衛本能」を働かせているサインです。
直感云々ではなく、単純に「その環境が今のあなたにとって刺激が強すぎる」のかもしれません。そんな時は、無理に予感を打ち消そうとするのではなく、自分を守るための装備を整えることが先決です。
私が実践している、職場の重い空気から自分を守るための具体的な工夫については、以下の記事で詳しく書いています。
>>職場の空気に疲れたとき。自分の心を守る「スイッチ」としてのアクセサリー活用法
もし「ただの不安」だった場合の対処法
分析した結果、「これは直感ではなく、私が疲れているだけのようだ」とわかったら、脳を休ませてあげる必要があります。
- 情報を遮断する
スマホを見るのをやめて、目と耳を休ませます。脳への入力情報を減らすだけで、アラートの音量は下がります。 - 「今」に戻る
不安は「未来」にしか存在しません。温かいお茶を飲む、足の裏の感覚を確かめるなど、五感を使って意識を「今」に戻します。
まとめ|不吉な予感は「休め」の合図かもしれない
「嫌な予感がする」
そう感じたとき、それが当たるとか外れるとか、未来のことばかりを気にしてしまいがちです。
でも本当に大切なメッセージは、「今、あなたの心には余裕がありませんよ」「少し警戒心が強くなりすぎていますよ」という、現在の自分からのSOSかもしれません。
未来を恐れるのではなく、「今日は少し自分を甘やかしてあげよう」と、優しい選択をするきっかけにしてみてください。


